はじめに
COVID-19の感染が収まらず、まだまだ先が見通せない状況であった2020年11月にAfter/With COVID-19時代のコンタクトセンターはどうなりそうなのか?という話をコラムで書きました。
After/With COVID-19時代のコンタクトセンターの変化
https://ecarlate.work/column/20201109001/
あれから1年近くが経過したものの、COVID-19流行は収まらず依然として先が見通せない状況が続いている2021年7月頃から9月頃にかけてコンタクトセンター市場の状況を把握するべく下記レポートをまとめました。
<レポート概要>
■コンタクトセンター市場動向2021
https://www.ecarlate.co.jp/business/report/cc2021/
<プレスリリース>
コンタクトセンター市場は2025年度に8,090億円の市場へhttps://www.ecarlate.co.jp/news/release/20210927cc2021/
「コンタクトセンター市場動向2021」のレポートに関しては試読して頂き、ご購入検討も可能ですのでご興味がおありの企業/ご担当者様がいらっしゃいましたら上記「レポート概要」ページのお問い合わせフォームよりご連絡頂ければ幸いです。
当記事では昨年の記事「After/With COVID-19時代のコンタクトセンターの変化」に記載した内容を元に約1年経過してどのような変化が出てきたのかについて簡潔ではありますが書いていこうと思います。
在宅コンタクトセンターの設置
COVID-19のクラスター感染発生など、コンタクトセンターは感染リスクが高いと言われる3密(密閉、密集、密接)環境が作られやすいこともあり、在宅コンタクトセンターを採用することでそのリスクを低減させようとする動きが2020年は多く見られました。
実際、オンプレミス製品/クラウドサービスを提供している各メーカー/ベンダーの元に在宅コンタクトセンターやテレワーク実施に関する相談がかなり寄せられたようです。
既存システムで対応可能なのか?といった話から、在宅コンタクトセンター設置のために新たにシステムを導入する or 既存システムを見直すといった具体的な案件まで含め、数多く問い合わせが寄せられたようです。
前回の記事を書いた2020年11月頃には2020年上期と比較すると落ち着いていたようですが、各メーカー/ベンダーは対応に時間を多く取られた様子が伺えました。
2020年下期、2021年上期とCOVID-19流行はなかなか収束の気配を見せず、引き続きコンタクトセンター側の感染防止対策も苦労する面が見られたようですが、少しずつ感染防止対策のノウハウが確立してきたことや物理的な感染防止対策で乗り切れそうという空気が出てきた様子もみられます。
在宅コンタクトセンター自体へのニーズは引き続き高いものの、通常の運用スタイルに戻すコンタクトセンターも出てきたようで、このまま在宅コンタクトセンターやテレワークの活用が根付くのかは企業の考え方に大きく依存していきそうです。
しかし、オペレーターなどの就労者側は在宅コンタクトセンターやテレワークの採用を求める声が依然として強いこともあり、今後人材確保をする上で在宅コンタクトセンターやテレワークに対応しているかが選別基準になる可能性が出てきています。
2020年は緊急事態宣言などへの緊急措置として在宅コンタクトセンターやテレワークの採用が行われてきた形ですが、2021年から2022年以降にかけては先を見据えた検討が広がりそうな気配がします。
AI技術の活用に向けた動きが進む
AI技術を活用してオペレーター支援や顧客満足度低下を防ぐ動きについては2021年に入ってからも引き続きニーズは高まっているようです。
在宅コンタクトセンターやテレワークを採用した企業はもちろんのこと、これまで大企業中心であった導入先が中小企業へと広がっているなど、AI技術の活用はより当たり前の世界へと変わっていきそうな気がしています。
音声認識技術にスポットを当てたレポートを2021年1月に発刊しましたが、2022年1月に発刊を予定している最新版レポートではまた新たな動きがまとめられそうな気がして今から楽しみです。
■音声認識市場動向2021(2021年1月4日発刊)音声認識市場動向2021 – 合同会社ecarlate
■音声認識市場動向2022(2022年1月11日発刊予定)
https://www.ecarlate.co.jp/business/report/stt2022/
感情認識技術や画像認識技術など、音声認識技術以外のAI技術でも新たな動きが広がっているという話を聞いていますので、これらについても今後情報収集と整理をできればと思っています。
それを含め、オペレーター支援や顧客満足度低下を防ぐ目的での活用に加え、オペレーター管理などの運営支援での利用も広がってきていますので、そのあたりは2022年になるとより具体的な形で見えてくるのではないかと思っています。
自動化による省力化への取り組み
自動化への取り組みとしてチャットボットの利用やビジュアルIVRの利用などはこの1年で更に進んできている様子が窺えます。
コンタクトセンターに限らず、在宅勤務やテレワークを採用する企業の代表電話などでも自動音声応答(IVR)の利用が広がるなど、自動化を採用する企業や場所が増えてきていることから、今後さまざまなサービスが登場してくることが期待されます。
コンタクトセンター向けとして開発された製品/サービスではないものがコンタクトセンターで利用される機会が増えていくということも大いにありえるのではないでしょうか。
もちろん、コンタクトセンター向けに提供してきた製品/サービスをオフィスなどへと横展開していく機会として考えているメーカー/ベンダーも多いので、コンタクトセンター市場から広がっていく製品/サービスも増えれば良いなと弊社でも考えています。
コンタクトセンターの再構成につながる可能性
2021年11月時点ではコンタクトセンターの再構成につながる可能性も出てくるのではないかと考えていましたが、半分は正しく半分は間違いだったかなと現状では思っています。
実際、在宅コンタクトセンターやテレワークを望む声は多く、コンタクトセンターを運営する企業や委託しているクライアント企業などでも在宅コンタクトセンターやテレワークの採用に対する理解が進んだ面もあってコンタクトセンター自体の再構成を検討している企業もみられるようです。
その反面、COVID-19への慣れや感染者の減少などをきっかけに従来の運営形態に戻しているコンタクトセンターもまた増えているようです。
2021年10月段階で、日本におけるCOVID-19感染者数は減少傾向で推移しており、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置なども全国で解除されたことで日常生活を取り戻すべく多くの企業が動き出しています。
まだ先行きは不透明な部分が残っているものの、少し落ち着きを見せている現在のうちに先を見据えた検討を進める企業も増えるでしょう。
引き続き弊社ではコンタクトセンター業界の動向をウォッチしていく予定です。また市場の動きに変化など出てきたら市場調査レポートやコラムなどの形で情報提供をしていければと考えています。
さいごに(宣伝)
記事の中にも少し差し込んでいましたが、弊社では以下のような市場調査レポートを発刊しております。
ご興味をお持ち頂けるようであれば、是非お問い合わせ頂ければ幸いです。
オンラインでの試読、冊子での試読に対応しておりますので、一度レポートをご覧頂いてご購入検討頂ければ幸いです。
■コンタクトセンター市場動向2021
https://www.ecarlate.co.jp/business/report/cc2021/
■音声認識市場動向2021(2021年1月4日発刊) https://www.ecarlate.co.jp/business/report/stt2021/
上記以外にも市場調査レポートを発刊しておりますので、下記ページでご確認下さい。